2019年11月14日

あなたの「座右の節」は?

こんにちは!正指揮者のKENJI卍です!


気付いたら定演まで40日を切ってました。時の流れは早過ぎます。こうやって1日1日を過ごしてくうちにあっという間に本番が来てしまうのかなと思うと寂しくなりますね。


今回の定演、個人的にはかなりおもしろい選曲だと思います。何ていうか、それぞれの指揮者の色がとても濃く出てるように感じます。特に今年は正指揮者も副指揮者も我が強い方なのでね笑


このブログでは、これを読んでいる皆さんがより僕たちの演奏会を楽しんでいただけるように、これから幹部が交代交代で各曲の紹介をしていこうと思います!お楽しみに!




ところで、皆さん好きな曲はありますか?

僕はいっぱいあります!吹奏楽だったら保科洋の『懐想譜』が好きです!ピアノ曲だったらカプースチンの『Concert Etude op.40』、オーケストラだったらマーラーの『巨人』、合唱曲だったら鈴木憲夫の『未来への決意』、、、。良い曲というのはたくさんありますよね!


では、皆さんは好きな演奏はありますか?

好きな曲と好きな演奏が一緒だって人もいますよね。というかそっちの方が多いかな。良い演奏を聴いてその曲にどっぷりハマり込むってのはよくあることです。

でも実は、僕の場合は違うんですよね。せっかくの機会なので僕の大好きな演奏を1つ紹介させてください!



2000年の全日本吹奏楽コンクール中学校の部で見事金賞に輝いた演奏です。

僕が今まで聴いた中で一番好きな演奏です。曲自体はそこまで好きでもないんですけどね。改めて今聴いてみても涙が出てきます。


『喜歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション』/レハール作曲 鈴木英史編曲

演奏:埼玉県飯能市立加治中学校



4:40~のカーテンコールが僕の大好きなところです。

軽快に弾む曲調にあどけないメロディ。

主題が一段落すると(5:10あたり〜)今度はより高い音の楽器がメロディを受け持ち、おどけた伴奏が楽しい雰囲気を醸し出す。

そして最後(5:45あたり〜)、3回目は全員で盛大なフィナーレを迎えます。メロディラインが高らかに歌い上げ、木管楽器は難しい連符を華麗に吹きこなす。


6:08~6:18のところを聴いていただきたい。

3回も繰り返した主題の最後を、力いっぱいに奏でています。僕は何よりもこの部分が好きです。


冷静な耳で聴いてみて、この演奏はいかがでしょう。曲なりにも大学まで吹奏楽を続けた僕から言わせてみれば、ピッチやバランスがめちゃくちゃです。タイミングももっと揃えられるでしょう。プロの方が演奏した方が遥かに安定したサウンドで巧みな演奏ができるでしょう。それでも、僕は彼らの演奏は素晴らしいと思います。


この演奏は、「人を感動させる演奏に上手であること・巧みであることは必ずしも必要じゃない」ということを僕に教えてくれました。



2週間前の秋合宿に行ったわけですが、僕にとってあの合宿所は音楽や阪吹について深く考えさせてくれる場所です。2年前の指揮者決めの時、「[良い演奏]と[上手な演奏]の違いって何?」と聴かれました。当時はどう答えたんだっけ、覚えてないや。


「演奏」という言葉には「演」という字が含まれてますよね。音楽は、その「演じる」という意味に鑑み、何かの表現をプレイヤーが演じるものだという考えは、とてもわかりやすいです。我々が曲を演奏する時、「作曲者の意図がどんなものだったのか」「作曲者はどういう背景でどういう感情を楽譜に込めたのか」をアナリーゼします。これは音楽をやっていく上で非常に大切なことだと思います。プロの演奏家は、プロの俳優と同じく、その曲(物語)のなかで自分の役割(配役)を理解して、それになり切って演奏(演技)するものです。


しかし、加治中のメリーウィドウは必ずしもそれが全てではないことを示している。僕にはそう感じました。


なんというか、彼らは「演じ」ていない。ありのままの自分たちを、コンクールに向けて数ヶ月間汗水垂らして頑張ってきたそのまんまの自分たちをさらけ出して音楽をしています。ありのままでぶつかっているからこそ、僕はこの曲を聴いて感動しているんだと自分で思います。


「頑張ること」「努力すること」の尊さを感じたことのある人は少なくないでしょう。思い返せば、僕が中2で初めてこの演奏を聞いた時が、まさしくそれを感じた時だったなと思います。


そういえば、秋合宿ではたくさんの人が「何が正しいのか」悩んでました。練習していく上で、いや、素晴らしい演奏会を作り上げようとする上で「何を目指すべきなのか」「どうするべきなのか」。ですが、音楽に「正しいこと」なんてないんじゃないかと今改めて思います。自分たちなりの音楽を衝突や調和を繰り返しながら一つに作り上げていければ、きっとかけがえのない演奏ができるし、お客様にもその思いがきっと伝わります。


現役の団員でこれを読んでくれている人には、こんな形ではありますが僕の音楽観を知っていただければ幸いです。


良い演奏をするための方法はいくらでもあるでしょう。より巧みな技術を得ようとしても良い。演じても良いし、ありのままの自分たちをぶつけても良い。きっと他にもたくさんのアプローチがあると思います。正しいことなんてないから、自分たちなりに考えたことならそれで良い。

そういった思いを大切にしながら残り1ヶ月間過ごしていきたいと思います!


ともかく具体的に動いてごらん 

具体的に動けば具体的な答がでるから

(相田みつを)



posted by 大阪大学吹奏楽団 at 16:25 | Comment(0) | 指揮者